空色のパノラマ

空色のパノラマ

なにげない毎日の中にひっそり佇む、ささやかで見落とされがちな奇跡をX100Fとクラシッククロームで綴る日記。

カメラを持つ日々持たない日々。

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先日、富士フィルムの新しいカメラX100Vに心を揺さぶられたため、

自分の愛機X20のペイントを一部塗り重ねて修正し、愛着を新たにしました。

で。


今回はだいぶ色が褪せて彩度が下がってきた合皮のグリップ部分に

影色の黒を塗り重ねて全体を引き締めるようにしました。

自分が使っている塗料はプラスチックや合皮など、カメラを痛めない

水性アクリルカラーで、水で薄められるし匂いもきつくないし

乾燥も早い、と大変重宝しているんですが、

合皮のようなものに塗った場合、表面はすぐに乾くのでいつも通り

乾燥したように見えるのですが、実は内側が乾くのにはかなり時間が

かかり、その状態で触ると、指紋の跡が残ったり、表面のなめらかさが

乱れてつやがなくなったり色がくすんだりします。

完全乾燥するまではおよそ一週間、この間はカメラに触れず置いておきます。

(カメラに色を塗るときの注意、というほとんどの人には必要ない

 無駄知識でした!!)

 

となると、この間は全くカメラが使えず、当然持ち出すこともできません。

 

普段は家から出るときはそれがどんな外出、どんな短い時間であっても、

カメラバッグ代わりのサコッシュに入れてカメラを持ち出します。

(たとえすぐそこまでのゴミ捨てであっても!)

家にいるときは、すぐ手が届く場所に置いてあって、風呂とトイレと

寝るとき以外はいつでもカメラが使える状態にしています。

いい光景ってものは身近なところにも生活の中にもたくさんあって、

そんな光景に出会ったとき、撮りたいと思ったときに撮れるように、ってことで

それがもう習慣化していてカメラを持たない状態がそわそわ落ち着かない

レベルにまでなっています。

それが一転、一週間も全くカメラに触らず過ごしている訳で、

生活の中でいい光景に出会ったとき、空っぽのサコッシュに手を伸ばして、

あ、今カメラ養生中だ、となる訳です。

 

せっかくの光景が撮れなくて残念、って気持ちもまぁなくはないんですが、

それ以上に、ああ、いつも自分はこんなにもカメラにお世話になっているんだな、

とてもありがたいことなんだな、とカメラへの感謝の気持ちを改めて感じます。

そして、目の前の光景についても、ある意味でカメラを持たない、写真を撮ろうと

しないからこそ逆に丁寧に、じっくりとその光景を味わえて、やっぱりこれも

日々のそんな光景に感謝を感じます。

 

 

「美しいものは注目を嫌う。

 もしその瞬間が俺にとって好きな瞬間なら

 カメラに邪魔されたくない。

 その瞬間を大切に味わう。

 あぁ今だ。今を楽しむ」

 

LIFE!という映画の中で雑誌LIFEの表紙を飾っていたプロカメラマンが

幻のユキヒョウを撮ろうと山の奥地でカメラを構えていて、そのユキヒョウが

現れたのになぜかシャッターを押さなくて、訝しがる主人公に言ったセリフです。

 

僕はこのセリフがすごく好きで、自分がカメラが大好きで日々たくさん撮っているからこそ、

この感覚ってすごく大切にしたいな、とも思っています。

いつもいい光景をありがとう。

そんな光景をいつも写してくれてありがとう。