空色のパノラマ

空色のパノラマ

なにげない毎日の中にひっそり佇むささやかで見落とされがちな奇跡を、X100Fとクラシッククロームで綴る日記。

ボヘミアン・ラプソディ〜映画の力、音楽の力。

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ついさっき、休日の妻を誘って今公開中のボヘミアンラプソディを見てきました。
(ネタバレありです。ご注意を)

www.foxmovies-jp.com

 

ボヘミアン・ラプソディというのは・・・まぁみなさん知ってますよね。
わからない人は上記リンクを見てください。
クイーンの映画です。

・・・そう、見た感想はクイーンの映画だったな、という。
主人公はボーカルのフレディマーキュリーだし、彼の生き様にスポットを
当てているけど、僕にはとてもクイーンというバンドの、そしてクイーンの
音楽の映画だと感じられた。
バンドに参加するところから始まってフレディの恋、そして結婚、
親との確執、自分がゲイであることに気づき、そこから生まれる喜びと苦悩、
バンドメンバーとの衝突、確執、エイズ、そしてバンドの復活、と話の本筋は
フレディを中心に進んでいく。
ストーリーを要約すれば間違いなくフレディの映画。

でも自分が一番心に残ったのは、バンドメンバーみんなが音楽が好きで、
決してフレディのワンマンバンドではなくみんなで音楽を作っているということ。
最初のアルバムのレコーディングの実験はメンバーみんなが本当に楽しそうだし、
次のアルバムのレコーディングではギターとドラムがお互いの音楽の歌詞に文句を
つけて大げんかするけど、出来上がった曲をプロデューサーに聴かせたときに
その曲の歌詞をバカにされたときは文句をつけてたギターが怒ってみせるし、
だんだん人間関係がギクシャクしてきてレコーディングでも不穏な空気がただよって
いるとき、ベースの作ったリフのフレーズのかっこよさに他のメンバーも乗ってきて
またかっこいい曲を作ったり、ギターの足踏みのアイデアからフレディも乗って
いったり・・・

僕は実際にはクイーンのベストアルバムを持っているけどバンドのことは
ほとんど知らず、フレディがゲイだったとかそういうことも全く知らなかった。
(名前を覚えてなくてギターとかベースとか言ってるのがまさにそれ)

だから、この映画がどこまで本当でどこまでフィクションなのかも判断できないけど、
それで余計に何も考えずに映画の世界に引き込まれた。
だから、僕にとってはフレディはとても繊細でそれ故に奥さんやバンドメンバーや
周りを傷つけてしまうし、でも最後はちゃんと謝って、エイズだからこそ
悲劇のヒーローになりたくない、みんなをパフォーマンスで喜ばせたいという
最後までかっこいい人だったし、バンドメンバーはみんないい人だし。
そして何があってもみんな音楽が本当に好きで音楽をつくることで絆が復活するし、
最後は自分たちの作った音楽で誇りを取り戻し自分たちが救われていく。

ライブエイドが一番そうだったんだけど、音楽の力でバンドが、大切な人たちが、
ファンが笑顔になっていくその様子がすごく感動的で。
平日の昼間、観客は10人くらいだったけどさすがに映画館で騒げず、
でもまさにライブ会場にいるような高揚した気持ちになって心の中で絶叫しながら、
いい大人なので静かに足踏みでリズムをとり、ライブが終わった後は一人で
静かに拍手をしていました。
(後で明るくなったら妻も僕も二人とも感動して泣いていて、ああ、大切な人と
 一緒に見られてよかったなと思いました)

僕にとっては音楽が中心にある、音楽を通じて人がつながる映画でした。
クイーン、だけではなく、すべての、音楽をつくって僕達を感動させてくれている
人たちに感謝したくなる、そんな映画でした。