空色のパノラマ

空色のパノラマ

なにげない毎日の中にひっそり佇むささやかで見落とされがちな奇跡を、X100Fとクラシッククロームで綴る日記。

息子に学ぶ

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仕事を辞めたからという訳ではないが、これをきっかけに人と話し本を読み、
自分を見つめ直す中で、もっとも身近な人である家族との向き合い方にも
少し変化が出た。特に子供達に対して。息子に対して。
自分の気持ちをフラットにして先入観なく見るようになった。
言い換えると、親が子を見るのではなく一人の人間として見るようになってきた。
すると、たくさんのことに気がついた。

息子は誰とも分け隔てなく人懐っこく接していく。
側で見ていても気難しそうな大人や子供、コミュニケーションがうまく取れない人に
対しても(正直にいえば僕だったら少し避けたいような人に対しても)
臆せず構えず、いつも通り素直に接していく。

自分でやりたいと言い出して始めたエレクトーン。
毎日自主的に練習しているが、調子の好不調がある。
僕は本人がやりたいと言って自分からやっていることに対しては褒めることも
しないし指導もしない。
(そもそも指導なんてできないけど)
ただ、聴いていて今日はうまくいっているな、とかイマイチだな、ということは
わかるのでその感想は伝えるようにしている。
イマイチなときは、僕の感想を聴いたあと、静かに涙を流している。
悔しいのだ。
もちろん、僕に言われたからではない。そんな素人の感想よりも弾いている本人が
一番自分でわかっていて、改めて人から言われたので悔しいのだ。
そんなときは、どうしたらいい?と僕に聞いてくるので、ゆっくり楽譜を声に出して
読んで、次にリズムに合わせて読んで、今度はゆっくり弾いて、次にリズムに合わせて
弾いてみたらどう?という素人が思いつく範囲でアドバイスをする。
すると次の日の練習からそのアドバイスの通りに、愚直になんどもそのやり方を
繰り返す音が聴こえてくる。

妹に対して、優しく面倒見がいい兄として振舞っているが、得てしてそういう場合、
妹より自分が優れていると思い、妹の意見は却下、あるいは押さえつけてしまいがち
だが、妹の意見や注意に対して素直に聞いて従っている。

なんてほがらかで頑張り屋で器が大きいのだろう。
なんか普通に僕の理想とする人間像じゃないか、と尊敬の眼差しで見たりする。

もちろん親として指導したり育てていってはいるが、それはもう、本人を成長させる、
なんて意識は全くなく、生きていく上での知識や技術、術を教えているくらいで、
人間的には毎日僕が教わることばかりである。