空色のパノラマ

空色のパノラマ

なにげない毎日の中にひっそり佇むささやかで見落とされがちな奇跡を、X100Fとクラシッククロームで綴る日記。

自分が積み重ねてきたものから自由になろう。

※撮影:2022年11月。諏訪湖、近所。カメラ:X100F/クラシッククローム。

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ただ俺は成功を少し積んだらすぐ崩すことにしてきた
意図的に平らに戻すようにしてきた
実は成功はなかなか曲者でよ一筋縄じゃいかない
最初の一つ二つはまぁいいんだが…1020となると
もう余計余分だ!体を重くする贅肉(ぜいにく)のようなもの
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これ、「天」という漫画の登場人物のセリフなんですが、結構耳が痛いんですよね。
もちろん、いわゆる成功、なんてものは特段なくて、このセリフの前後の文脈とも
だいぶ違うんですが、ただ、すごく小さい範囲の中で・・・例えば仕事。
新しい仕事を始めた時は何もわからない新人で、わからないことを勉強しながら、
人に教えてもらいながら、試行錯誤しながらやっていくうちに、ふと気づけば
だいぶその仕事に精通していて、いつの間にかベテランみたいになっていて、
人から聞かれることの方が多くなって。

それ自体は成長したっていうことなんでいいことなんですが、いつの間にか、
そのできる自分、みたいなものに縛られるようになってくるんですよね。
実際問題そんなできる、ってほどにはできてないとも思いますが、できるような
雰囲気の自分に縛られるというか。
できない、わからない、っていうことを言いづらくなって、人に教えを乞うことに
ためらいを感じたり、わからないの中で試行錯誤することを嫌がるようになって、
過去にうまくいったやり方を踏襲したり。
いつの間にか失敗を恐れて、安全と思われる手段に固執して、気づけばなんだか
すごく不自由だな、と。

写真もそうで、これこそ笑っちゃうんですが、自分はブログの他にインスタも
やっていますが、自分のような大してフォロワーもいないようなアカウントでも、
人気の出る写真とそうでない写真が実に明確にはっきりしていて、自分の場合は
諏訪湖の写真が人気があって、他はまったくない。
元々、自分がいいと思った写真をあげたら外国の人から反応があったのが面白くて
続けていたのに、こういうことがわかってくると、ブログではいろんな写真を
あげているんですが、インスタではつい人気の出る写真ばかり上げるようになって
きていて。これまたなんか不自由だな、と。

そんな時に思い出したのが冒頭の言葉です。
それこそ、成功なんてものには程遠いような自分なのに、自分の中の小さな経験の
うまくいったものに固執して、結果すごく不自由になっている。
失敗や、見向きもされないことや、悪い反応や、そんなものを恐れて。
でもそんなのどうだっていいことだし、それで満足していればいいけど、やっぱり
不自由だと思っていて、楽しくないと思っている、それが自分の正直な心だと
思います。
すぐ失敗を恐れてしまう心が弱い臆病な自分ですが、でもそんな自分の中にも存在
する一欠片の自分の正直な心を大切にして、そして勇気を持って、自分が積み重ねて
きたものから自由になろうと思いました。