撮影:2022年5月。近所。
今回は珍しく撮ったばかりの写真とそれについての話です。
にゅーすでご存知の方もいるかもですが、6年に一度の御柱祭がはじまりました。
コロナ禍での開催となった今回は木落し、川越えというとても派手で華々しい
山出しという行程はトレーラーのみの運搬となり、里引きという街中を人力で引く
行程が上社で始まりました。
(この地域には4つの大きな神社があり、それが上社、下社という風に分かれます
僕も役割を持って祭に参加しますが、来週以降となる下社です)
今回はそういった一番派手なシーンはないんですが、僕自身が御柱祭のどこに
惹かれているかといえば、ただただ重い柱をみんなで引っ張るただそれだけの祭と
いうところです。
下社では、今回はともかく、観光客も法被をその場で貸してもらったりして割と
気軽に誰でも参加して柱を引くことができます。
面白いのは、みんなで力を合わせないとピクリともこの巨大な木は動かず、
しかしみんなの力とタイミングと気持ちがピタリと合うと嘘のように軽々と動きます。
そういった呼吸とタイミング、引っ張ることをを繰り返しながら少しずつ重い柱を
みんなで声をかけながら苦労しながら楽しみながらのんびり運ぶっていう事自体が
すごい喜びを与えてくれます。
そんな単純なことの繰り返しがとてもうれしくて、気持ちよくて。
普段はすれ違っても挨拶もしないような人が、遠い地域に住んでいて会うことも
なかった人が、周りで一緒に柱を引っ張っている全ての人たちが仲間だと思える。
そのことがとても幸せに思えるのです。
同じように。
子供の頃、ただのビニールテープ、神々しさも歴史的な技もない、
え?ただのビニールテープだよ??って嫌っていたこの街中に張り巡らされた飾り。
それぞれの地区ごとに、住人が協力して一生懸命地道に作った、なんでもない素材で
一生懸命作った、たくさんのたくさんのビニールテープの飾り。
大人になった今は、そんな飾りがとても美しく、そしてそんな飾りで彩られている
この町がとても愛おしく感じるようになりました。